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証券アナリスト1次・2次の独学勉強法【実体験】

2021年12月4日

証券アナリスト独学勉強法
悩む人

証券アナリストってどうやって勉強すればいいの?

証券アナリストの受験を考えている方にむけて、独学で合格した私が勉強法を解説していきます。

合格率は50%と高い試験ですが、証券分析を実務で行っている人が多く受験しており受験生のレベルが高いので、決して簡単な試験ではありません

私は証券会社に勤めておらず、証券分析を実務で行ったことがありませんが、1次試験・2次試験共に1発で合格しました。

私が実際に合格した勉強法を参考にしてもらえば、どんな人でも証券アナリストに合格できると思います。


要点を抑えて勉強して、効率的に合格をめざしてください。

記事の信頼性・筆者の経歴

  • 証券アナリスト、その他10以上の資格保持者。
  • 証券会社に勤めた経験はなく、本業で証券分析は行っていない。
  • 合格に直結する効率的な勉強が得意。


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証券アナリスト1次試験の勉強法

証券アナリスト1次試験の勉強法を次の4つのポイントから解説していきます。

  • 使用するテキスト
  • 勉強手順
  • 勉強のポイント
  • 勉強時間


使用するテキスト

私が証券アナリストの1次試験の勉強に使用したテキストは次のとおりです。

  • TAC総まとめテキスト3冊(証券分析・財務分析・経済)
  • TAC過去問題集3冊(証券分析・財務分析・経済)
  • 過去問


総まとめテキストと過去問題集は各教科ごとに分かれているので、3冊ずつ購入する必要があります。


過去問は証券アナリスト協会の公式サイトから過去5年分(10回分)ダウンロードできます。

勉強手順

最初にテキストを読むのではなく、過去問題集をメインに勉強をすすめていきました。

証券会社に勤めていない私は、知識0の状態から過去問を解き始めましたが、TACの過去問題集は解説が充実しており、簡単な問題が最初にまとまっているので、初見でもなんとなく理解することができました。

過去問題集の解説を読んでも理解できないところはテキストを読んで知識を補っていました。

証券アナリストに合格して改めて思ったのは、証券アナリストは過去問に似た問題が頻出するため、はじめから過去問をたくさん解いて「問題の型」を頭に入れる私の勉強法は、合格を目指す人にかなり効率的な方法だった思います。

過去問題集を2周ほどして、ある程度解説を見ないで問題を解けるようになったら、マイページから印刷する過去問を解き始めます。

過去問題集が解ければ過去問は解く必要ないと考える人もいると思いますが、過去問を解くのは合格を目指すにあたって絶対に必要です。


過去問題集は似たような問題がまとまって出題されるのでなんとなくで解けてしまうことがあります。

また、過去問題集は応用問題は掲載されていないので、過去問題集を完璧に解けたとしても当日合格点を取れるとは限りません。

過去問題集がある程度解けるようになったら過去問を試験当日まで繰り返し解いてください。

過去問で安定的に70点が取れるようになれば、当日合格できる可能性はかなり高いです。

過去問題集を2周してから過去問で70点取れるようになるまで繰り返し解く。


勉強のポイント

1次試験は受験科目が3つあります。

3科目ともそれぞれ別の試験となっていて、1次試験に合格するには3つの試験に合格する必要があります。

1次試験の受験科目

  • 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
  • 財務分析
  • 経済


1次試験は年に2回試験日が設定されており、3教科全てに合格した翌年に2次試験を受験できます。

そのため、春の一次試験で3教科に合格できても2次試験は翌年にしか受験できないため、無理して春に3教科全て合格する必要はありません。

春と秋で受験科目を分ける人は春に「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」と「財務分析」を受験して、秋は「経済」を受験することをおすすめします。

なぜなら「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」と「財務分析」は範囲が重複する部分があるので、同じ時期に勉強して受験する方が効率がいいからです。

証券アナリストの1次試験は下表のとおり合格率が50%前後で一定を保っているため、問題が突然難化するとは考えづらいです。

そのため、無理に3教科合格を目指すのでなく、春・秋に分けて着実に合格を目指しましょう。

証券分析とポートフォリオ・マネジメントの合格率

時期受験者数合格者数合格率
2022秋1,772名884名49.9%
2022春2,400名1,226名51.1%
2021秋2,618名1,390名53.1%
2021春3,025名1,459名48.2%
2020秋3,151名1,753名55.6%
2020春中止中止中止
2019秋1,948名1,067名54.8%
2019春2,233名1,065名47.7%
証券アナリスト協会公式ホームページより


勉強時間

事前の知識量によって勉強時間は大きく変わります。

ある程度知識がある人で「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」と「財務分析」はあわせて100時間程度、「経済」は50時間程度かかるといわれているので、0から勉強をはじめる場合はこれ以上時間がかかると考えてください。

証券アナリスト2次試験の勉強法

証券アナリスト2次試験の勉強法を次の3つのポイントから解説していきます。

  • 使用するテキスト
  • 勉強のポイント
  • 勉強時間


使用するテキスト

私が証券アナリストの2次試験の勉強に使用したテキストは次のとおりです。

1次試験同様に、テキストと過去問題集を購入しました。

  • TAC過去問題集1冊
  • TAC総まとめテキスト3冊(各教科)
  • 過去問


2次試験は出題範囲が広いため、テキストを見てもわからない部分が多く、ネットで調べることも多くありました。



勉強のポイント

職業倫理の勉強をまず先に行うことをおすすめします。

理由は次のとおり。

職業倫理の勉強をおすすめする理由

  • 職業倫理だけ足切り点がある。
  • 出題方法が決まっているため、勉強すれば確実に点数が取れる。
  • 8時間ほど勉強したら必ず満点が取れて、全体の60/420点を稼げる。


職業倫理は8時間程度の勉強で満点をとれるようになるので、一番点数が稼ぎやすい単元です。

証券アナリスト2次試験の合格点は210/420点といわれており、職業倫理で満点の60点とれれば、他の単元で150/360点とれれば合格することができるので、かなりコスパがいいですよね。

また、職業倫理は「証券アナリスト職業行為基準」を覚えれば解くスピードが速くなります。

2次試験は1次試験と違って試験当日の試験時間が余ることはありません。

職業倫理に費やす時間を短縮して、他の単元に時間を充てられるように何度も繰り返し解いて、 「証券アナリスト職業行為基準」 の何条に何が書いてあるか覚えるレベルに到達を目指しましょう。


証券アナリスト2次の点数配分は以下のとおり。

2次試験の点数配分

  • 証券分析:210点
  • 財務分析:90点
  • 経済:60点
  • 職業倫理:60点

合計420点


職業倫理の勉強後に重点的に勉強するべき単元は証券分析と財務分析です。

証券分析と財務分析はある程度過去問通りの問題が出題されることが多いですが、経済は直近の経済動向を踏まえた問題が頻出するので、過去問で見たことのない問題が当日出題される可能性が高いです。

そのため、勉強すれば安定的に点数が取れる証券分析と財務分析の勉強に力をいれることをおすすめします。

勉強時間

証券アナリスト1次試験と同様、前提知識によって勉強時間は大きく変わりますが、前提知識がある程度ある人でも200時間はかかると思ってください。


証券アナリストの勉強で気を付けること

証券アナリストの勉強をする際に、1次試験・2次試験に共通して気を付けるべきポイントは次の4点です。

  • 試験前は過去問を解くべし
  • 講座のテキストは使えない
  • 頻出する公式は暗記する
  • 関数電卓はいいのを使うべし


1つずつ解説していきます。

試験前は過去問を解くべし

TACの過去問題集を使って勉強することをおすすめしていますが、これを解くだけで試験当日に臨むことはおすすめしません。

過去問題集をある程度解いた後に、公式サイトのマイページからダウンロードできる過去問を使って過去問を解くことをおすすめします。

過去問題集は似たような問題がまとまっているので解きやすくなっているので、過去問題集が解けたからといって試験当日に点数がとれるとは限りません。

また、試験当日に出題される各単元の分量を体感として身につけることで、当日どのような時間配分で解いていくのかイメージするのに活用できます。


講座のテキストは使えない

証券アナリストを受験するにあって講座の受講が必須です(これがとても高い…)。

受講料を支払うと家に大量のテキストが届きますが、これで勉強することはおすすめしません。

講座のテキストには試験範囲が網羅的に記載されてますが、分量が多く試験に頻出する点がまとまっているわけではないので、合格を目指すのには向きません。

私は1次試験・2次試験どちらも講座のテキストを一回も開かずに合格しました。

周りの友人も誰一人として講座のテキストで勉強している人はいなかったです。

試験合格後、私はすべてのテキストを1度も開かずに捨てました(紙の無駄なので、せめてPDFにしてほしい…)。

頻出する公式は暗記する

財務会計や証券分析では、「レパードβの算出」や「金利パリティの公式」など、頻出する公式がいくつかあります。

また、丸暗記しないといけない用語もたくさんあります。


これらの公式はテキストにまとまっているものではないので、自分でノートにまとめることをおすすめします。

私は以下のようにOne Noteで覚えられない点をまとめて、時間があるときに見返して暗記していました。


関数電卓はいいのを使うべし

証券アナリストを受験する人は関数電卓の購入は必須です。

ふつうの電卓では太刀打ちできないような計算が強いられます。


勉強中も試験本番でも使う回数は多いので、使いやすいものを選んでください。

証券アナリストに向けて私が使ったカシオ 関数電卓 fX-JP900-Nはわかりやすかったのでおすすめです。


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証券アナリスト勉強法まとめ

証券アナリストを勉強にはTACの過去問題集を主な教材とすることをおすすめします。

1次試験、2次試験それぞれで気を付けるポイントはありますが、共通して気を付けるべきことは次の3点です。

  • 各回ごとのまとまった過去問を解くべし
  • 公式の講座テキストは使えない
  • 頻出する公式はメモをする


証券アナリストは最短でも合格に2年かかるので、かなり気合が必要な資格になります。

勉強が大変だと思いますが、自分のペースで合格できるように頑張ってください。

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